このホームページだけでなく、名刺やパンフレットには「藍鉄」と「月白」という2つの伝統色が使われています。
「藍鉄」は藍色の変異色のひとつとされており、「江戸前」「粋」な色として親しまれた色です。
「月白」は薄い青みを帯びた白色で、和歌や俳諧の主要な題材となっていた夜空に浮かぶ月の光を表した色です。
伝統色には、四季折々の表情が豊かな日本で生きた古人の生活や思考、感性が含まれています。
現代を生きる私たちにも通じる良さがあり、また学ぶところが多くあると感じています。
この2色、私が好きな色というのはもちろんなのですが、「鉄」「藍染」「温泉」という西胆振の特色を感じさせるところも気に入って使っています。
建築が建つ「敷地」には、自然環境的特徴とその地に生きた人々の精神文化が蓄積しており、それぞれそこにしかない固有の特徴があります。
現代の街並にはそのような「敷地の固有性」とは無関係に建物が建てられており、どの街も似たような表情になってしまっていることが少なくないと思います。
伝統色を見ながら、「敷地」の魅力を最大限に活かしながら「この敷地だからこそ成立する建築」を創っていきたいと考えています。