– from Staff Y.Takahashi –
10月も終盤となりました。
朝晩の気温変化が激しく感じるようになり、今年経験したあの長い暑い夏のことが懐かしいです。
まだまだコロナとインフルが混在する中ではありますが、いかがお過ごしでしょうか。
私は現在、北海道福祉専門学校で幼稚園教諭を目指す学生のために、音楽表現論という講義を担当しています。
未来の子どもたちのために、熱意ある教育者になってほしいという願いのもと講義を行っていますが、同時に私も学生と共に自己教育力を高めながら日々研鑽しているところです。
さて、先日のことではありますが、1年ぶりに教え子が我が家に遊びに来ました。
背丈が高くなり、顔つきも話す内容も大人っぽく成長し、喜ばしい想いでいっぱいでしたが、会話から見せる笑顔は小学生の頃とかわらない屈託な表情を見せてくれ、穏やかな気持ちになりました。
この教え子は、来年度高校生になる、高校受験生です。
保護者から相談にのって欲しいと連絡がきて、数日後の来訪でした。
「高校の進学先に悩んでいる」
というのが教え子の悩みでした。
中学校での成績に当てはまる、市内の高校に進学するのが一般的には多い進路かと思いますが…
彼女は、市内の進学校には進学したくないとのことでした。
「行ってみたい高校はあるの?」
私の問いに、即座に市外の公立高校の名前があがりました。
やりたいこと・突き詰めて学びたいことが明確にわかっていて、そのことに挑戦したい、たとえ家から出て一人暮らしをしてでも叶えたいと思っているというのです。
市外の高校を選択肢に挙げられること自体、本人の学校の成績だけではなく、現実には保護者の方の努力や環境的な幸運も手伝ってのことであるのはもちろんです。
何より、夢や希望があり、将来に対して期待をもって勉学に励みたいという「想い」は本当に大切で尊いものだから、後悔だけはしないように、と話をしました。
一方保護者の方には、
「離したくない気持ちは重々わかるけれど、ずっとそばには置いてはいけない。」
「愛する我が子が決心して選択した思い。これを捨てさせるだけのことを他の何かで与えられるか。同じような環境を整えてあげられるか。」
という内容をお話しました。
彼女は小学生の時から興味関心が旺盛で、難しいことにもまずは挑戦して、何でも自分で考えられる子でした。
周囲にも気を遣えて、友だちと上手く接することが難しい子に声をかけられる、優しい子でした。
4時間近く話していましたが、目標が変わることなく、「こんなにも意思が強いのだな」と思わされ、頼もしく成長している姿に驚きました。
そしてとても感慨深い気持ちにもなり、私ももっと頑張らなければと胸が熱くなりました。
「先生に会うと、元気をもらえる」
そう言って、笑顔で帰宅した教え子でした。
時間が何年経っても、変わらない関係。
教師として子どもと関わる際、子どもたちの長い人生の中で教えられることはほんの少し。
むしろ、教わる方が多い気がしています。
私は子どもたちの応援者であり、いつまでも変わらない存在でありたいな、と思いました。
私は小学校教員だった時、また、我が子と接する際にいつも考えていることは、手を抜かない丁寧な接し方をするということです。
このことが、私の「後悔しない生き方をする」ということだからです。
「やった後悔」よりも「やらない後悔」の方が、その後の人生で長く引きずってしまうものです。
やって得た後悔は、失敗や成功を繰り返していくものなので、自らの骨や肉となって豊かな人間性を育んでいくと思っています。
失敗は成功のもと
可愛い我が子にこそ旅をさせよ
と昔から伝わる言葉がありますが、本当にその通りだなと思う反面、一生のうちに直面する選択することの難しさ…
成長してより強く、より頼もしくなった教え子から、また教えられました。
Rちゃん、ありがとう!
そして、いつでもまたおいで。
いつまでも、応援しています!!
おわりに、教え子たちが10歳の「二分の一成人式」でお祝い会を行なった際に送った言葉を、5年後の今、再び送ります。
15歳を迎えた君たちへ
君たちの生きてきた15年間は どんな日々でしたか
これからの自分の未来について 考えたことはありますか
本当の夢にいつ出会えるかは 人それぞれ
自分は何のために生きるのか 気づく時期も 人それぞれ
自分にしか生きられない人生を みつけてほしい 歩んでほしい
未来を輝かせるかは 自分次第
悩むことはない あせる必要もない
未来は何色にでも 輝く
一生けんめい生きることで 未来は自分色に輝くから