「デザイン -Design-」という言葉

 

私たちの設計事務所の名称に、「デザイン」という言葉があります。

「デザイン」という言葉は、とても難しい言葉だと思います。

人によっていろいろな意味で使われますし、様々なジャンルで使用される言葉です。

英語で言う「Design」と日本語の「デザイン」でもニュアンスが異なることもあります。

 

「Design」の語源はラテン語の「Desigare」にあると言われており、「計画を記号にあらわす」という意味、「設計」という意味で使われていたと言われています。

言葉の持つ意味はその時代の人々の共通認識によって変わっていくものなので、現在使われている「デザイン」が持つ意味は、「設計」だけに留まらないでしょう。

 

髙橋佑介建築デザインの「デザイン」

 

私たちは「デザイン」という言葉を、「設計」はもちろんですが、「人とものの関係の仕方」という解釈で用いています。

「かっこいい建物を考える」とか、「奇抜なものをつくる」などというような意味ではありません。

 

建築は根本的に人のためにつくられ、人と関係があってこそ建築の価値が高まると思います。

人と建築の関係の仕方にはいろいろなものが考えられます。

例えば「多くの人を集め一体感をもたらすことができる建築」とか、「人に多くの金銭的利益を与えられる建築」、「訪れる人が安心してよく眠れる建築」など、無数に考えられます。

改めて考えてみると、ひとつの建築にいくつもの関係が含まれていることに気がつきます。

建築の設計は、ひとつの建物にどのような「人と建築の関係」を織り込むか、その関係を実現するために最適な姿は何かをひたすら考え続けることと言ってもいいかもしれません。

 

特に大切にしたい「デザイン」

 

私たちは特に、計画する建築が「人と自然をどのように結びつけているか」を大切にしたいと思っています。

これは、建築が建つ敷地を大切にすることであり、敷地の歴史や街なみを大切にすることも含まれます。

 

私たちが暮らす北海道は、他にないほど四季の表情が豊かであり、私たちは厳しくも美しい環境の中で生きていると思います。

このことをより幸せに感じられるように、そしてその環境を大切にしながら未来に受け渡していくために、建築ができることがたくさんあるはずです。

これは私たちだけでは到底実現できるものではありませんが、同じような気持ちを持っている方々と協力しながら、一歩ずつでも前に進めるよう「デザイン」していきたいと思っています。