冬の暖房費を減らして、快適な住環境をつくりたい
私たちが住宅を設計するとき、「これは最低限の仕様としておさえておきたい」と考えているひとつに、「高断熱・高気密」があります。
北海道では特に、冬の暖房に掛かるコストが家計を圧迫します。
また、例えば数日旅行に出かけ、帰ってきた時の家の中の気温が3℃...という経験をしたことがある方も少なくないのではないでしょうか。
当たり前のことですが、住宅は人間が1日を始め1日を終える場所ですから、人々の生活環境を良くするのに住宅の環境が大切なのは言うまでもありません。
家が快適になって、しかも暖房費が減ったら、より冬を楽しめそうです。
住宅の「高断熱・高気密」化は、その部分の助けになると思います。
「断熱」と「気密」はセットで
・基礎断熱(押出法ポリスチレンフォーム 厚さ100mm)
・軸間断熱(高性能グラスウール24kg 厚さ105mm)+付加断熱(高性能グラスウール24kg 厚さ100mm相当)
・天井断熱(吹込用グラスウール 厚さ300mm)
例えば私たちは、木造の断熱の場合であれば最低これくらいは確保して設計しようと考えます。
そして、断熱仕様と合わせて注意しなければならないのが気密です。
気密をしっかりしなければ、断熱材をいくら増やしても快適な室内環境にはなりません。
それどころか、断熱性能の低い住宅よりも結露が多くなり、カビに悩まされることにもなり兼ねません。
断熱と気密をセットで考えることが大切です。
知識と現場経験を組み合わせて
私たちがおさえている高断熱・高気密住宅の大切なポイントというのは、室蘭工業大学名誉教授の鎌田紀彦先生から教わったことが基礎になっています。
(寒地建築の構法を学べたことは、室蘭工大に通った大きなメリットのひとつでした)
そして実際に現場を監理してみると、きちんと効果が出るように施工できる職人さんばかりではないこともわかります。
反対に、現場の職人さんや現場監督さんから学ぶこともたくさんあります。
技術や知識だけでなく、現場における高い注意力や作業工程の把握が必要不可欠だと気づかされます。
これからも、一緒に仕事をする職人さんたちと話し合いながら、高い技術を身につけた職人さんがますます増えていく方向に進めばいいと考えています。
人々の暮らしが豊かになるために、冷暖房効率が上がる高断熱・高気密化は大きく寄与できると思います。
ですから、私たちはこれを「最低限の仕様」と位置づけています。
ただ、これは「どの家も同じ仕様にすることが良い」ということではありません。
長くなってしまいそうなので、続きは次回にしたいと思います。